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鎌倉市内の野菜直売所「鎌倉農協連即売所(レンバイ)」などを調査!

鎌倉市内の野菜直売所「鎌倉農協連即売所(レンバイ)」などを調査!

ココがキニナル!

鎌倉にたくさん農産物直売所があるようですが、主要な直売所を紹介してください。キニナル。(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

鎌倉には農産物直売所が10ヶ所あり、農家が自作の野菜を販売している。今回はその中でも、複数件の農家が一同に集う「鎌倉農協連即売所」と飲食コーナーも併設する「かん太村」を紹介。

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ライター:福田 優美

鎌倉市のマップによると農産物直売所は10ヶ所


 
生産者から直接野菜や生花を買うことができる農産物直売所。鎌倉市が発行している直売所マップによると、鎌倉周辺には主な直売所が10ヶ所あるようだ。もっとも有名なものはテレビでもよく見る鎌倉農協連即売所、通称レンバイだろう。まずは、ここから取材をはじめることにした。
 


鎌倉市が発行する農産物直売所マップ ※クリックして拡大

 
 
 

いざ、鎌倉へ


 
7月末日の14時、鎌倉駅に到着。レンバイがあるのは鶴岡八幡宮のある東口。さすが鎌倉。若宮大路へ出て鶴岡八幡宮の鳥居を背にして右折すると、200メートルほどでレンバイが現れた。
 


重厚感のある看板と歴史を感じるフォント

 
自転車でやってくる人や、犬連れの人も少なくない。
 


散歩ついでに、という感じでふらっと入るお客さんも多い

 


中はすごい活気。これでもこの日はまだ人が少ないそう

 
取材を依頼していたのは、鎌倉市農協連即売所の組合長で、生花業を営む平井保男(ひらい・やすお)さん。ぶっきらぼうな雰囲気の平井さんは初見こそ怖そうだったが、話すとのっけからかなりオープンで気さくな方だった。まずはレンバイの成り立ちを聞いてみる。
 


レンバイの組合長、平井保男さん

 
「ここができたのは1928(昭和3)年。この近くの教会の神父さんが、ヨーロッパでは農家が自分たちで作った野菜を、直接お客に売るって話をしたのがきっかけらしい」
 


入口付近にレンバイの成り立ちが書かれた看板がある

 
平井さんはまだ幼かった1970(昭和45)年頃から、レンバイで野菜を販売していた祖母に連れられて、遊びに来ていたそうだ。

「今は1日5、6組だけど、俺がガキの頃は1日10組くらい出店してたな。今と同じ4班制だから、出店農家は40組くらいいたと思うよ。その頃は、この辺りは会社の保養所がたくさんあったから、夏になると2、30人分くらいの食材をまとめて買いに来る人が結構いたんだよね」
 


品種の豊富さと鮮やかな彩りに目を奪われる

 
企業の保養所は今ではほとんどなくなり、当時のような夏の騒ぎはなくなったそうだ。代わりに、近年は夏になると海の家の人が大量の仕入れに来ることが増えたという。ところで、4班制ってどういうものなのか。平井さんに聞いてみた。

「今は22の農家が4班に分かれて日替わりで出店してるんだよ。だから4日で一周ね。月曜火曜に耕作して、水曜は出荷準備して、木曜はここで売る。で、金曜土曜はまた畑に出るっての繰り返し。労働時間が長いうえに、休む暇がないんだよ」
 


壁に貼られた出店者名簿。1班5〜6組の4班制

 
平井さんの知る限り、最初からずっとそうだったようでなぜそうなったか、理由はわからないという。それにしても、働き方改革なんてなんのその、という働きっぷり。根性なしの筆者には到底耐えられそうもない。

「こんなこと若い人はやりたくないから、どこも後継者不足で悩んでるよ。子どもが継いでくれりゃいいけど、うちの息子は消防士でさ。好きな仕事してんのに辞めて継げとは言えないよね。たいして儲かりもしないのに」
 


夏場は切り花より鉢植えがおすすめだという平井さん

 
後継者不足問題は、各産業で深刻な問題となっているが、誰も悪くないだけに解決の糸口が見つけ難い。平井さんは複雑な内心を隠すように笑って話す。そんな話をしてる間も、お客さんは途絶えず平井さんは忙しそうだ。夏場は切り花もめったに買わない筆者は、鉢植え花を買う人がこんなにいるのかと驚く。
 


常連らしいお客さんと話し込む平井さんの奥さん(左)。夫婦で店頭に立っている