創業から84年の歴史に幕を閉じた馬車道の老舗レストラン「相生」について教えて!
 ココがキニナル!
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馬車道の老舗レストラン「相生」が2月末で閉店。最大の原因はみなとみらい地区の開発により商業施設が充実し、一時は多店舗化していた相生もこれで全店閉鎖。会社自体も閉めてしまうの?(よこはまいちばんさん)
はまれぽ調査結果!
1931年にオープンした「相生」は、2015年2月に、多くの方に惜しまれつつ閉店した。みなとみらい地区開発が閉店の直接原因ではないとのこと。
ライター:山崎 島
	「おじいさんおばあさんからお子様まで、家族みんなが楽しく好きなものを食べられるお店。このコンセプトは開業からずっと変わらなかったですね」
	
	馬車道の老舗レストラン「相生(あいおい)」3代目社長の井上圓三(えんぞう)さんは、片付け途中の店内の中を見回した。84年もの間、横浜で多くの方々をもてなしてきた店内は未だ熱気が冷めていないように感じた。
	
	まずは馬車道の老舗レストラン「相生」の閉店の日の様子から、記事を書こうと思います。
	
	
	
	2015年2月28日
	
	取材のお願いの電話をしたときお店の方は「ありがとうございます。ですがもう取材はお断りしているんです」とおっしゃった。でもどうしても記事にしたいんです・・・と直接お店にお願いへ行き、取材にご協力いただけることに。
	 
	
	
	最終日に伺いました
	 
	
	なんと
	 
	
	午前11時でもう満席
	
	この「満席」の看板。「食事中の方にはゆっくりと過ごしてもらいたい」というお気持ちと、「ご来店された方を待たせて大切な時間を使わせたくない」というお心遣いを感じた。
	
	穏やかな活気に満ちた店内へ。
	 
	
	
	五大路子さんからお花が!!
	
	上品なのにアットホームさがある店内。レセプションでコートを預ける。入り口から席につくまで、従業員の方々がさり気なくお声をかけてくださった。やり過ぎないお心遣いが嬉しい。
	 
	
	
	皆さま、昔から「相生」でお食事をされていたんだろうか
	
	店内は看板通りの満席。落ち着いた年齢層の方々が9割ほどで、和やかに食事を楽しんでいらした。
	 
	
	
	お店の前の和食のランチメニュー看板
	 
	
	こっちは洋食メニュー
	
	メニューはオープン当初からあまり変えていないそう。創業当初は洋食のお店だったそうだが「ご家族みんながお好きな物を召し上がれるように」と和食メニューも提供している。
	
	編集部・山岸と山崎は長年横浜の方々に愛されてきた洋食メニューから、馬車道ハヤシライス(1030円)とカニクリームコロッケ(1030円)をいただいた。
	 
	
	
	思わず見とれてしまう美しさ
	
	こちら馬車道ハヤシライス。有田焼のたっぷりした器でいただく。豊かな気持ちになれます。
	 
	
	
	自宅では絶対作れない味わい
	
	よく煮込まれたハヤシソース。程よい酸味があり、すっごく美味。野菜や肉も柔らかいんだなあ。「これがもう食べられないなんて、寂しいね」と山岸と言いながらいただきました。
	 
	
	
	いつも食べていたカニクリームコロッケとは全然違う
	
	こちらはカニクリームコロッケ。清楚な感じの洋食器「ノリタケ」のお皿に乗ってくる。今まで食べた中で1番気品のあるカニクリームコロッケだなあ。
	 
	
	
	コロッケの下にはホウレンソウのソテーがしいてあるよ
	
	さっぱりだけどコクのあるトマトソースと、濃厚なタルタルソースに絡めながらいただいた。見た通りの品のある味わい。おいしいです。
	 
	
	
	中です
	
	「王道が大切」という信念を持って作り続けてきたというお料理。感じることが多かったです。おいしくいただきました。
	 
	
	
	3代目社長の井上さん
	
	社長の井上さんがテーブルにいらしてくださった。お忙しいにもかかわらず、あたたかいお言葉をかけてくださる。
	
	見ていると全てのテーブルを回ってお話かけていて、お客さん方も親しげにされている。その様子こそが、「相生」の長年の歴史を物語っているように感じた。
	
	夜、午後9時の閉店間際に再度伺いお客さんにも少しだけお話をお聞きしました。
	 
	
	
	井上さんと長年のお付き合いがあるという写真サークルの方々
	 
	
	井上さんの作品
	
	井上さんは写真右側の男性に「この人の支え方が足りなかったから閉店になっちゃった」と冗談をおっしゃっており、男性も「そうだな~おれのせいだな~」と笑っていた。
	
	みなさま「万感の意をこめて、最後は明るく食事をしたい」と終始笑顔。しんみりしないで楽しく過ごされていました。
	 
	
	
	常連の山口さんにもお話を伺う
	 
	山口さんは親子2代で常連なのだそうで、なんと約30年もこちらへ通われているんだとか。井上さんとは「大の仲良し」。
	
	とにかく最後のお客さんたちは笑顔で食事をし、井上さんが終始明るく冗談を言い続け、お客さんに声をかけていたのが印象的だった。
	
	約80年もの間、横浜の人々に愛されてきたレストランの最後の日は、明るく穏やかでした。
	 
	
	
	閉店した「相生」
	 
	
	ごちそうさまでした
	 
	 
	
	 






