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下水道が100%普及していない横浜市の今後の取り組みとし尿対策は?

ココがキニナル!

横浜市の下水道普及率は100%でないそう。 今後は?し尿はどう処理してる?/横浜でバキュームカーは稼働している?(だいさん、ペテン師さん)

はまれぽ調査結果!

家庭用バキューム車は11台稼働。下水道施設は港北区など残り約3000世帯の順次整備を進めるが、100%整備のめどはない。し尿は焼却処分する

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ライター:はまれぽ編集部

横浜の下水処理の方法は?



横浜市の下水道設備について分かったところで、次に疑問となるのは「下水道が整備されていない地域はどのような対策をしているのか」という点。これについては、市資源循環局の細川稔一(としかず)浄化設備係長が対応してくれた。
 


取材に応じてくれた細川係長

下水道設備のない地域では通常、し尿のみを貯留槽と呼ばれるタンクに直接ため込み、定期的に収集する「汲み取り式」か、し尿と生活排水が混ざった汚水をためて収集する「浄化槽式」に分かれる。
横浜市の場合、いずれもタンクと吸引器を備えた、し尿運搬車両(=バキュームカー)が2週間に1度、各地域を回って回収作業を行う。

細川係長によると、横浜市には51台のバキュームカーがある。そのうち、一般家庭の「汲み取り式」し尿回収用11台、イベントや年間約1万4000件に及ぶ工事現場の仮設トイレ用7台の計18台が常時作業に当たっている。そのほかは災害派遣用に保管や整備に回されているそうだ。また、浄化槽の汚水回収は市が許可した民間業者が行う。
 


横浜市のバキュームカー(写真提供:横浜市)
 

東日本大震災では仙台市でし尿収集作業に当たった(写真提供:横浜市)


回収したし尿は、磯子区にある資源循環局磯子検認所でいったん受け入れる。検認所で前処理を行った後、隣接の「南部水再生センター」で、し尿と下水汚泥を混合する処理をしてから金沢区の「南部汚泥資源化センター」で焼却処分されることになる。

 


磯子検認所などでの作業フロー(提供:横浜市)


浄化槽に関しては、設置している世帯は浄化槽法で年1回の清掃が義務付けられており、これには数万円程度かかるケースもあるそうで、いずれも設置者の負担になる。

違反した場合は6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる。横浜市内では「過去に記憶はない(細川係長)」が、汚泥の臭いに関して、年に10件程度の苦情が市に直接寄せられるという。
また、「汲み取り式」の場合では衛生面に課題が残る。「浄化槽式」での回収に細心の注意を払うが、それでも完全に臭いをシャットアウトすることは難しいという。

吉岡課長代理と細川係長は、ともに「公共下水を整備し、良好で安全な水環境を維持・確保することこそ行政の役目」と口をそろえる。
今後については「海沿いを中心に本牧ふ頭や鶴見区の工業地域、大黒ふ頭など将来的にも下水道整備がされる計画そのものがない場所を除き、整備を進めるとともに、しっかりと老朽化対策をとっていきたい」と話した。



取材を終えて



横浜市の下水道に関しては「建設から管理へ」移行しているように思う。下水や汚泥処理の際に発生する処理水やガスなどの用途を見出し、再利用できれば、これまで処分していたものは「資源」として生まれ変わる。

市民一人ひとりの日常生活を支えるという意味でも、持続可能な循環型の社会を築くという意味でも、下水道普及率100%に限りなく近づけるための、横浜市の今後の取り組みに注視していきたい。


―終わり―

 

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  • 取材ありおがとう御座いました、無意識に使用している便所、是が不完全だと疲れが倍増、災害地Volunteerで経験、市の清掃事業従事者に感謝いたします、この取材の着眼 良かったです、今度は上水道の取水管理と問題点など、解ったら、庶民も協力できると思いますが?

  • 下水道は単純に下水管埋設だけでなく、他のライフライン(電気、ガス、光ファイバー、電話線、上水道)と旨く相関をとりながら整備しないといけないし、横浜のように丘陵部が多く、密集狭隘な宅地化が進んでしまった地域も含めて100%整備させることは、道路の拡幅や区画整理とも兼ね合いが有るので困難であると思います。しかも下水管を整備したあと、汚水を河川に未処理で放流はできないし、下水処理場の高度処理能力を高める努力をしないと河川の水質浄化が進まない要因になってしまう。下水道埋設が困難な地域に単純整備するよりも、既存の下水処理の品質を高める技術革新や、再生水の再利用、河川の親水性を高めることに予算配分を進める選択と集中も必要では。共同構による一貫管理、街路整備、再生水や汚泥再利用セメント販売による一般会計の負担軽減化なども進めないといけないでしょう。市民全体の認識の一致や協力も不可欠ではないかと思います。

  • レポートありがとうございます。 汚水の99.8%の謎は解けました。 雨水整備の状況も気になります。

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